HACCPの考え方を取り入れた衛生管理は、事業者によりHACCPに基づく衛生管理とこれを簡略化してアプローチしやすくしたHACCPの考え方を取り入れる衛生管理のいずれかに分けられます。基本的には、前者は規模が大きな事業者で食品メーカーなどが対象となり後者は中小の食品会社や居酒屋・ラーメン店・お弁当や惣菜店など規模が小さなお店が該当します。規模が小さな事業者は、各業界団体が策定している手引書を事前に確認してから厚生労働省で定めが行われている一般的な衛生管理およびHACCPに沿った衛生管理、これら2つの基準を満たすことができる衛生管理を行うことが求められます。たとえ、小さな事業者でも導入義務があるのでそれを守ることが重要ですが、守ることでお店の信用を得られるなどのメリットへと繋げることができるわけです。
ちなみに、厚生労働省はHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の対象となる事業者の事を小規模な営業者等といった具合に表現しているのが特徴です。例えば、食品などの取り扱いに従事している人の数が50人未満の小規模な製造や加工などを行う事業場などが該当します。また、製造もしくは加工を行った食品の全部もしくは大半を併設しているお店で小売り販売する事業者、飲食店などのような食品の調理を行う事業者なども同じです。さらに、容器や包装などに詰めた食品や包まれた食品だけを貯蔵や運搬を行う業務、それを販売することを目的にしている会社なども該当します。